「ホームページはお願いできるとして...勤怠のExcel集計とか、そういうのも相談していいんですか?」
打ち合わせの終わり際に、こんなふうに遠慮がちに聞いてくださるお客様が、実はけっこういらっしゃいます。答えはシンプルで、聞いていいんです。むしろ、そういう相談こそ大歓迎です。
Web制作会社=ホームページを作る会社。そう思われているのは当然です。でも、サイトを作るために使っている技術——データをつなぐ、処理を自動化する、情報を整理する——は、日々の業務課題を解決する技術とほぼ同じなんです。
この記事では、「サイト以外の相談」として実際にお受けした業務自動化の事例と、どんな相談ならWeb制作会社に持ちかけられるのかを整理しました。
「サイト以外の相談」、実は多いんです
私たちのもとに届く相談のうち、ホームページ制作以外の内容が占める割合は年々増えています。よくあるのはこんな声です。
- 「勤怠データをExcelで毎朝集計してるんだけど、なんとかならない?」
- 「月末の工数レポート、部門ごとに手作業で集計するのに丸一日かかる」
- 「取引先にファイルを共有するたびに、リンクを1件ずつ手で作ってる」
どれも 「ITに詳しい人がいない中小企業あるある」 ですよね。「こういう細かい困りごと、誰に聞けばいいの?」と思った経験、ありませんか?社内に情シス部門がないから、誰に相談すればいいかわからない。大手のコンサルに頼むほどの予算はないし、そもそも「こんな小さい困りごとを聞いてもらえるのか?」という不安がある。
結論から言うと、Web制作会社のなかには、こうした業務改善も得意なところがあります。ただし、すべての制作会社が対応できるわけではないので、見極めのポイントも後半でお伝えします。
実際にあった「サイト以外の相談」3つ
ここでは概要だけお伝えします。「うちも似たような状況かも」と思ったら、それぞれの詳しい記事もぜひ読んでみてください。
勤怠Excel集計 — 毎朝2時間が5分に(96%削減)
従業員45名の製造業。入退室データとカオナビのデータを毎朝Excelで突合する作業に2時間かかっていたのを、システム間を自動でつなぐ仕組みで5分に短縮しました。既存のシステムはそのまま、導入期間は約2週間です。
詳しい導入の流れや担当者の声は「勤怠Excel集計を96%削減した方法」で紹介しています。
工数管理の月次集計 — 丸一日が30分に(90%自動化)
プロジェクト管理ツール(CrowdLog)にデータはあるのに、月末になると結局Excelで集計し直す。ツールを使っているのに手作業が減らない、わりと多いパターンです。データの取得から経営会議用レポートの生成まで自動化し、月末丸一日の作業が30分になりました。
工数管理のExcel地獄から抜け出す方法は「工数管理のExcel月末地獄を解消した方法」で詳しく解説しています。
ファイル共有リンク作成 — 月17時間が30分に(97%削減)
クラウドストレージ(Box)の共有リンクを月1,000件、1件ずつ手で作成していた作業を一括自動処理に。年間204時間の削減です(腱鞘炎のリスクも大幅に減りました)。
自動化の仕組みや費用感は「ファイル共有リンクの手作業、月17時間のムダに気づいていますか?」をご覧ください。
3つの事例に共通すること
| 共通点 | 内容 |
|---|---|
| 既存システムを活かす | 新しいツールに乗り換える必要なし |
| 導入期間が短い | いずれも2〜3週間で稼働 |
| 効果が数字で見える | 96%削減、90%自動化、月17時間削減 |
| 担当者の負荷が激減 | 「朝が変わった」「月末が怖くなくなった」 |
ポイントは、大がかりなシステム刷新ではないこと。今使っているツールの間をつなぐ、手作業を自動に切り替える——それだけで、これだけの効果が出ます。
Excel業務の自動化事例をもっと知りたい方は、「Excel手作業をシステム連携で自動化した3つの事例」もあわせてどうぞ。
「うちでもできる?」を判断する3つの質問
「事例はわかったけど、うちの場合は事情が違うし...」と思いますよね。以下の3つに当てはまれば、同じようなアプローチで改善できる可能性が高いです。
質問1: 毎日(または毎月)繰り返している手作業はありますか?
データの転記、集計、レポート作成など。繰り返し頻度が高いほど、自動化の効果は大きくなります。週1回以上の作業なら、まず検討する価値があります。
質問2: 「ツールにデータはあるのに、別のツールに手で写している」状態はありますか?
勤怠システム→Excel、プロジェクト管理ツール→Excel、クラウドストレージ→メール...。ツール間の「手渡し」が発生しているなら、そこが自動化の最有力候補です。
質問3: その作業、特定の人しかできない状態になっていませんか?
「○○さんがいないと月末の集計ができない」——属人化している作業は、自動化によって業務の安定性も同時に改善できます(○○さんが安心して有給を取れるようになります)。
3つとも当てはまった方は、取引先からのDX要求への対応も含めて「DX対応してください」と言われたら — 何から始める?もぜひ参考にしてください。
Web制作会社に相談するメリット
「業務改善なら、専門のコンサルや大手SIerに頼んだほうがいいのでは?」という疑問もあると思います。
| 相談先 | 費用感 | 対応スピード | 得意な規模 |
|---|---|---|---|
| 大手SIer | 数百万〜数千万円 | 数ヶ月〜 | 大企業向け |
| 業務改善コンサル | 月額30〜100万円 | 1〜2ヶ月 | 中堅〜大企業向け |
| Web制作会社(対応可) | 数十万〜100万円台 | 2〜4週間 | 中小企業向け |
中小企業の「ちょっとした困りごと」には、実はWeb制作会社のスケール感がちょうどいいことが多いんです。数千万円の基幹システム刷新ではなく、数十万円で今のツールをつなぐ。そのほうが早いし、リスクも小さい。
加えて、サイト制作から業務改善まで同じチームに相談できると、窓口が一つで済みます(業者が増えるたびに「あれ、これどっちに頼むんだっけ?」が発生するの、地味にストレスですよね)。
ホームページ制作そのものの費用感や選び方を知りたい方は、中小企業のホームページ制作、結局いくらかかる?で詳しくまとめています。
ただし、すべてのWeb制作会社が対応できるわけではありません
ここは正直にお伝えします。ホームページのデザインやコーディングが専門の制作会社に業務自動化を相談しても、対応できないケースがあります。
確認すべきポイント:
- システム連携の実績があるか — 「システム間の自動連携」「データ連携」「業務自動化」等のキーワードが実績に含まれているか
- 改善効果を数字で示しているか — 「96%削減」のように具体的な成果を開示しているか
- 既存システムを活かすアプローチか — 「全部うちのシステムに入れ替えましょう」ではなく、今あるものを活かす提案をしてくれるか
この3つが揃っている制作会社なら、サイト以外の相談も安心して持ちかけられます。
まとめ: まずは「困っていること」を話すだけでOK
Web制作会社に相談できるのは、ホームページのことだけではありません。勤怠のExcel集計、工数管理の月末地獄、ファイル共有の手作業——日々の業務で「これ、なんとかならないかな」と思っていることがあれば、それがそのまま相談のきっかけになります。
いきなり「こうしてほしい」と決まっていなくて大丈夫です。「毎朝2時間かかっている作業がある」「月末に丸一日つぶれる集計がある」——そんな話から始めれば、一緒に整理していくことができます。



