動画を始めるかどうかは、最近多くの会社で議題に上がる話題だと思います。やると決めたあと、もう1つ迷うのが「自社でやるか・外注に出すか・テンプレ動画SaaSで済ますか」の3択です。
うちは自社で内製化する選択を取って、5週間ほど運用しています(具体的な数字は2026-05-31の体験記にまとめました)。やってみて分かったのは、3つの問いに先に答えれば、判断が9割決まる ということです。
3つの問いはこれです。
- 動画を1年続ける気があるか
- コードを書ける人が社内にいる、または採用する気があるか
- バズらせる研究と、動画制作の仕組み化を、別物として扱えるか
順に説明します。
問い1: 動画を1年続ける気があるか
判断を一番大きく分けるのは「本数」です。動画を何本作るかで、最適な選択肢が変わります。
| 想定本数 | 推奨 |
|---|---|
| 1〜3本(単発プロモ) | 外注 or 動画SaaS |
| 10〜30本(半年運用) | 動画SaaS(テンプレツール) |
| 50本以上(継続運用) | 内製化(コード化)を検討 |
ここで本数を膨らませる原因は「続けたいかどうか」です。半年で打ち切るつもりなら30本前後で済みますが、1年以上続けるなら100本を超えてきます。
「動画は流行ってるから始める」と「動画を会社のチャネルとして定着させる」は、覚悟の量が違います。前者は外注かSaaSで十分。後者なら内製化の検討対象に入ります。
判断: 1年続ける気がないなら、内製化は割に合いません。外注か動画SaaSで十分です。
問い2: コードを書ける人が社内にいる、または採用する気があるか
動画をコードで書くという選択肢は、React・TypeScriptを書ける人が前提です。テンプレ動画SaaSではない方式(Remotion など)を選ぶなら、絶対条件と思ってください。
人材の確保方法は3つあります。
- 社内に居る: 中小企業ではエンジニアを抱えている割合がそもそも低い。居る場合は強い
- 採用する: 動画制作のためだけにReact人材を採るのは現実的でない
- 業務委託で頼む: 動画外注より安いケースは少ない
結論として、Reactを書ける人が「すでに社内にいる」場合だけ、コード化のリターンが高くなります。それ以外は外注かSaaSのほうが合理的です。
判断: 社内人材がない → 動画SaaSが現実的。無理に内製化しても継続運用で詰まります。
問い3: バズらせる研究と、動画制作の仕組み化を、別物として扱えるか
ここが一番見落とされがちな問いです。
動画制作には2つの全く違う要素があります。
- 仕組み化: 同じテンプレで何本でも動画を作れる状態を作る(量産の技術)
- クリエイティブ研究: 何を撮るか・どう構成すれば刺さるか・いつ投稿するか(コンテンツの研究)
内製化(コード化)は、前者の問題を解きます。後者の問題は解きません。
「Remotion 入れたら動画でバズれる」と期待して始めた会社は、ほぼ確実に失敗します。コードで動画を量産できるようになっても、何を作るか・どう刺さるかは別の研究領域です。
向くのは、こう考えられる会社です。
- 仕組み化は自社でやる
- 研究は外部から知見を仕入れる、または自社で別途投資する
- この2つを分けて、それぞれに予算と工数を別に積む
「コード化=バズも自社化できる」と誤解する会社は、内製化に踏み込むべきではありません。動画クリエイティブの知見を持つ会社に依頼するのが早道です。
判断: 制作の仕組み化と、コンテンツの研究を、別問題として扱えるか。Yesなら内製化が機能する。Noなら外注か、知見を持つ会社へ。
3つの問いから判断マトリクス
3つの答えで進路が決まります。
| 続ける気 | Reactあり | 研究別 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| ✗ | – | – | 単発外注 |
| ✓ | ✗ | – | 動画SaaS |
| ✓ | ✓ | ✗ | 動画SaaS(コード化に踏み込まない方が安全) |
| ✓ | ✓ | ✓ | コード化(Remotion等)が射程に入る |
全部Yesの場合だけ、コードで動画を書く選択肢が現実的です。1つでもNoがあれば、SaaSか外注のほうが合理的。
うちは3つともYesだったので内製化に踏み込みました。実際の運用結果と数字は5/31の体験記で詳しく書いています。
まとめ
- 動画を始めるかと、どう作るかは別の判断
- 「続ける気・コード人材・研究の分離」の3問で進路が決まる
- 全部Yesでない限り、内製化(コード化)は合理的じゃない
- 制作とクリエイティブ研究は別問題。Remotionは制作を解くが、バズは解かない
ツール選定の前に、この3問を社内で話してみることをおすすめします。本数の見込みも、人材状況も、研究の方針も、その後の意思決定の前提になります。
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動画制作で迷っている方は、ツール選定の前に「自社にとって本当に動画が必要か」「どう続けるか」から一緒に整理することもできます。気軽にご相談ください。



