SNSリール動画を量産するときに、一番効くのは「フォーマット数」を絞ることです。
うちが自社プロダクト(Shift Bud)のリール動画を5週間で量産したとき(このときの全体像はこちら)、5つのフォーマットに分類して設計したのが結果的に効きました。何を作ろうかと毎回ゼロから悩む状態から、5フォーマットのどれかにテキストを流し込むだけの状態に変わったからです。
この記事では、その5つのフォーマット(Educational / あるある / 警告 / Before-After / POV)の狙いと典型的な構成を、実際に運用してみた立場で整理します。
なぜ5フォーマットなのか
リール動画の量産で最初に決めるべきは「型を何種類用意するか」です。
少なすぎると(1〜2種類)、すぐにバリエーションが尽きてフォロワーが飽きます。多すぎると(10種類以上)、テンプレ化のメリットが薄れて1本1本の作り込みが重くなる。
実運用してみて落ち着いたのは 5フォーマット という数字でした。理由は3つあります。
- 週に2〜3本ずつ出しても、同じフォーマットが続けて並ばない
- フォーマットを覚えやすく、新しいネタを思いついたときに「どの型に入れるか」が即決できる
- それぞれの型に明確な役割があり、視聴者側にも飽きが来ない
3〜4でも、6〜7でも回ると思いますが、3だと変化感に乏しく、7だと作る側の負荷が増えました。うちの運用では、5に落ち着きました。
5フォーマットの全体像
うちが採用したのは以下の5つです。
| フォーマット | 狙い | 視聴者に残るもの |
|---|---|---|
| Educational | 機能・使い方を説明する | 「使えるかも」という具体感 |
| あるある | 現場の共感ネタ | 「うちもこれある」という共感 |
| 警告 | 失敗パターンの注意喚起 | 「気をつけなきゃ」という気付き |
| Before-After | 導入前後の対比 | 「変わるんだ」という納得 |
| POV | 一人称の体験視点 | 「自分ごと感」 |
5つとも狙いが違うので、フォロワーには「いろんな角度から同じプロダクトを知る」体験になります。Educational ばかり並ぶと教材っぽくなるし、あるあるばかり並ぶと中身が薄く見える。5本1セットで回すと、ちょうど立体感が出ます。
Educational: 機能・使い方を10〜20秒で説明する
教育系フォーマット。プロダクトの機能を1つだけピックアップして、何ができるかを淡々と見せます。
典型構成は次の通りです。
- 冒頭で「これでできること」を1行のテキストで提示(〜3秒)
- 画面録画 or 簡易図解で動作を示す(10〜15秒)
- 「気になった方はリンクから」のCTA(〜3秒)
ポイントは、機能を1本に1つだけに絞ることです。「複数機能を一気に紹介」は文字数が増えて読みづらく、何も覚えてもらえません。
あるある: 現場の「分かる」を引き出す
共感系フォーマット。プロダクトのターゲット業種で起きがちなシーンを再現します。
典型構成は次の通りです。
- シーンの状況設定(〜3秒、テキストで「〇〇あるある」と提示)
- ターゲットが「あぁ、これあるある」と感じる具体描写(10〜15秒)
- プロダクトに繋げない(あえて売り込まない)
Educational と違って、あるあるはうちの運用では プロダクトに繋げないほうが伸びました。「これあるある」だけで完結させ、プロフィール経由で興味を持ってもらう設計です。
警告: 「やりがちな失敗」を注意喚起する
ネガティブ訴求系フォーマット。ターゲットが踏みがちな失敗を一覧化します。
典型構成は次の通りです。
- 冒頭「○○でやりがちな失敗3つ」と問題提起(〜3秒)
- 失敗1〜3を順に見せる(テンポよく、1つあたり3〜5秒)
- 「気をつけてください」で締める(〜3秒)
警告フォーマットは、うちの実測では保存率が他より高めでした。「あとで読み返したい」と思われやすいので、テキストはあとから見ても理解できる粒度にします。
Before-After: 「変わる」を視覚化する
対比系フォーマット。導入前と導入後を画面で並べます。
典型構成は次の通りです。
- 「Before」を提示(5〜7秒、混乱・面倒な状態)
- 「After」を提示(5〜7秒、解決した状態)
- 違いを数字で示せれば添える(「○分→○分」など)
Before-After は最も「説明的」なフォーマットですが、視覚で変化が示せるので Educational よりも納得を得やすいです。導入検討段階の視聴者に効きます。
POV: 一人称の体験を覗き見させる
体験系フォーマット。プロダクトの想定ユーザーになりきって、1日の中の1シーンを切り取ります。
典型構成は次の通りです。
- シーン設定をテキストで(「店長のある日」など、〜3秒)
- 一人称視点でプロダクトを使う場面を見せる(10〜15秒)
- 「自分ならどう使うか」を視聴者に投げる(〜3秒)
POV は他のフォーマットと違って、視聴者に「自分が使っている姿」を想像させるのが目的です。Educational や Before-After より没入感が強く、検討確度の高い視聴者に響きます。
5フォーマットをどう運用するか
フォーマットを5つ用意したら、運用は単純です。
- 週に何本出すかを決める(うちは週2〜3本ペース)
- 5フォーマットをローテーションで埋める
- ネタを思いついたら、5つのうちどれに入れるかを先に決める
ネタ→フォーマットの順ではなく、フォーマット→ネタを当てはめる順 にすると、量産が止まりません。ネタ起点だと「これはどの型?」と毎回考えますが、フォーマット起点なら「次は警告の番だから、最近見聞きした失敗ネタを1つ拾ってくる」で済みます。
コードで動画を書く方式(動画を内製化するか迷ったら考える3つの問い で扱った内製の判断軸)と組み合わせると、フォーマットの定義をコードに残せます。「次のあるある動画」を作るときに、テキストと画像を差し替えるだけで新作が出力できる状態になります。
まとめ
- リール動画の量産は「フォーマット数を絞る」のが効く
- うちの運用では 5フォーマット に落ち着いた。3だと単調、7だと負荷増
- Educational / あるある / 警告 / Before-After / POV の5つで立体感が出る
- ネタ起点ではなくフォーマット起点で運用すると、量産が止まらない
- コードで書ける形にできれば、テキスト差し替えだけで新作が出る
これから動画を量産したい会社は、まずこの5つを社内のテンプレとして用意してみてください。1ヶ月運用してみると、最初の頃と比べて出力スピードの変化を実感しやすいはずです。
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